習慣的なオフィス勤めに飽きたらず、自ら進んで歓楽の街に沈んでゆく現代娘と淡い恋の灯にも真実を賭けて生き抜く未亡人との明暗二つの女給の生活を通して現代女性の生態を描いた野心的メロドラマ。
現代の身動きならない社会の重圧に歪められた人間性と道徳を追究し、一人の凡庸なサラリーマンが選んだ悪徳と愉楽の世界の悲劇を描き、現代人の不安と現実の汚濁を抉り出した社会派ドラマ。
製作は山本武が担当、猪俣勝人が脚本を書き、斎藤良輔が潤色している。監督は渋谷実、撮影は長岡博之が担当。主な出演は池部良、小林トシ子、山村聡、山田五十鈴の他、高野由美、多々良純、伊達信など。