痴漢の烙印を押されてからグレた自動車修理工が県警捜査主任の妹を誘拐した…。鬼刑事の異名をとる兄は、警察の機動力をフルに動かして妹の救出に努める。港町・横浜を舞台にスピードとスリルが全篇にみなぎる爽快・・・
舞台は京都の祇園と宮川町。金のためなら他人の男でも平気で奪うドライ芸者・君蝶が、四人の男を手玉にとる凄腕ぶりを村山新次監督がねっとりとした描写し、匂うばかりの風俗の中に女の欲望を浮き彫りにしている。
同世代の若い肉体だけでは物足りず、妻ある男に恋をしたつや子は、自分の出生の秘密や、父の愛人の出現などにショックを受けながら己の肉体を通し愛の実体をつかもうとする。人間の欲望を鋭く抉った意欲作。
全身に刺青を彫った鉄火肌の「やくざ一等兵」が、南支那の最前線部隊で痛快に暴れまくる。凄まじい戦場にあって、機銃を片手に、義理と人情に命を賭けた野放図な男の魂を描いた活劇篇。
鉄道敷設に反対する川船頭たちと鉄道工夫たちのが争いを繰り返す明治末期の北九州に現れた流れ者のやくざが、鉄道工事に生き甲斐を見つけ、その完成に己の一生を賭して闘う姿を、燃えるような恋と凄絶なアクション・・・
暴力団の幹部となって自ら人間を売った長男、巨額の金品を狙って生きるために一匹狼となる次男、そしてこの醜い世界を呪いつつ厳しい抵抗を試みる三男。憎悪と狂乱の檻の中で四千万円の幻に狂った兄弟三人のあぶく・・・
「脱出」「八月十五日の動乱」に続く戦記もの第三作。今回は、昭和風雲録の一頁を綴る二・二六事件を背景に、正義感が強く、部下おもいの安東大尉が憂国の志から事件を企て、銃殺されるまでの悲劇を描いたサスペン・・・
定評のある東映の名物シリーズ、警視庁物語の第二十三話。育ての子に、自分への愛を裏切られたくない母の悲劇を中心に、社会の片隅に虐げられた人々を捜査の焦点において、刑事たちの活躍を描く。