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三州一の人気者で、舞台の名は三河団十郎、又の名を清次郎と、役者とやくざの二道かけた右太衛門が、芸と男の意地から辿る一本刀の花道街道股旅篇。
武士の意地で若輩の藩士を斬って国表を離れた男が、求められるままに仇討の刃をうけようとしながら、女の恋の炎に負けて苦悶、遂には発狂して無残な最期を遂げる迄を描く。
衰頽、怠惰に流れる江戸爛熟期、旗本八万騎の一人でありながら、武門の悪と世の惰性に反抗する快男児・此村大吉が、信義に生き、貧者を救け、さらには時の歌舞伎役者・中村仲蔵との厚い友情を交わす様を江戸情緒た・・・